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ゲシュタルト療法は、フロイト派の精神分析の資格を持つ、ドイツ系ユダヤ人のフレデリック・パールズにより主に提唱されました。
パールズは、「自律性の達成」をセラピーの目標として掲げ、それは「今、ここ」における自分自身の感情・思考・行動に気づき、それを深く体験することによって達成されるとした。
「気づきに始まり、気づきに終わる」とする概念や、ゲシュタルトが何を意味するかなどを中心にしっかりとおさえておきましょう!
もくじ
理論的背景
ゲシュタルトとは
ゲシュタルトとは、ドイツ語で「統合」「全体」「まとまり」「形」「完結」などを意味する。
ゲシュタルト心理学では、人間の全体性と人間の認知の連続性の統合性を強調する考え方で、人間は部門を集めた合計以上のもの、人間の知覚や認知も、バラバラな部分の総体ではなく、全体としてまとまりを作るようにできていると考える。
ルビンの壺

「ルビンの壺」は、ゲシュタルト心理学の考え方を説明するのによく使われる。
その受け取り方は、その人の経験などによって異なることを表し、その考えはどちらも間違っていない。クライエントの悩みもこのように作られているかも知れず、相手が自分と違う世界を持っていても相手を認め、自信を与えることが大切で、それを援助することがセラピーであるとゲシュタルト療法は考える。
主要な概念・技法
- ゲシュタルト療法は、クライエントの「気づきに始まり、気づきに終わる」と言われる。
→「今、ここ」の考え方
カウンセリングにおけるゲシュタルト療法の介入
- カウンセラーの解釈は極力避け、クライエントに気づきを持つ機会を提供。
- カウンセラーは、「今、ここ」における自明な現象を取り上げる。
- 言葉は、できるだけ第一人称で現在形を使うことを勧める。
- 未来や過去へ逃避させない。
- 周囲を操作するようなことではなく、セルフサポートへと結ぶつくようにエネルギーを使うことを勧める。
- 自己に対決する機会を提供する。
- 非言語的なものに注目する。
- 「実験」を通じて気づきを促進する。
- 「図」に上がっていくものの言語化を勧める。
- 心残り(未完結の経験)を完結する機会を提供する。
よく用いられる技法
- エンプティ・チェア
椅子に想像する他者や自己を座らせて対話する。 - ファンタジー・トリップ
ファンタジーといわれるイメージ法により、ファンタジーの中でさまざまな体験をする技法。 - 夢のワーク
「夢を生きる」ともいわれるが、夢に登場する人物・物事・雰囲気などになってみて、夢を再現し、それぞれ言語化や行動化する体験。 - ボディ・ワーク
身体と対話したり、身体の部分になってみて言語化したり、行動化する体験をする。
まとめ|ココだけはおさえておこう
- ゲシュタルト療法=パールズ
- 「今、ここ」での気づきに焦点を当てる