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カール・ロジャーズは、アメリカの臨床心理学者。心理相談において、患者と呼ばず「クライエント」と称し、指示的アプローチから来談者中心の非指示的アプローチの意義を提唱。
キャリアコンサルタントのカウンセリング理論の基礎となる「来談者中心療法」や「カウンセラーに求められる基本的態度3条件」・「自己概念と経験の一致」・「内的準拠枠」などを中心にしっかりとおさえておきましょう!
もくじ
来談者中心療法
理論的背景
- ロジャーズは、1951年に著書「来談者中心療法」を発表し、クライエントの自己成長の力を信じ、その力と決断力を中心に進める「来談者中心」という理論を展開。
- 「人間は本来、自己成長をうちに秘めていて、自分の問題については自分が一番よく知っている」問題解決とどう生きていくかを自分の中で育んでいるのだ」という考え。
→答えはクライエントのなかにある。 - 心理的不適応は、クライエントの理想自己と現実自己の不一致によって生じるとロジャーズは考えた。カウンセラー側が主導権を握ったり、外からレッテルを貼るような見方で理解するのではなく、その人がどのような体験をしているかを内面から理解しようとする。クライエントの内的リアリティ、体験のなかにおける現実性を大切にすることによってしか、治療は成り立たないとした。
主要な概念
理想自己と現実自己
人は成長の過程で自己イメージ(自己概念)をもつ
→同時に周囲の期待や欲求について意識する(他者からの承認条件に縛られる)
→周囲に受け入れられたいがために、防衛が働き、経験を歪めてしまうことが起きる
→自己概念と一致しない経験が起きる
→自己概念と経験が一致している状態を「一致」、そうでない状態を「不一致」とした。
自己概念と経験

基本的態度の3条件
カウンセラーに求められる基本的態度3条件

※内的準拠枠…個人の行動を理解するにはその個人の内的準拠枠、つまりその個人が知覚し経験している世界の内側からの視点が重要である。
共感的理解における重要点
ロジャーズの理論の中心おひとつは、カウンセラーがクライエントへの共感的理解をどこまでできるかにある。
その理解は「共感的であって同感的ではないこと」がポイント。
共感はあたかも相手と同じように感じながら、巻き込まれてしまわないような感じ方と言える。
まとめ|ココだけはおさえておこう
- 理論的背景の下線部
- 自己概念、一致、不一致
- カウンセラーに求められる基本的態度3条件
❶ 無条件の肯定的関心(受容的態度)
カウンセラーは、クライエントに対して無条件の肯定的関心を持つこと。
❷ 共感的理解(共感)
クライエントの内的世界を共感的に理解し、それを相手に伝えること。
→クライエントの「※内的準拠枠」で見る
❸ カウンセラーの自己一致(純粋性/誠実さ)
クライエントとの関係において心理的に安定しており、ありのままの自分を受容していること。
→「心理的安定」