来談者中心療法

来談者中心療法
Pocket

来談者中心療法とは?

提唱者

カール・ロジャーズ(1902-1987)アメリカの臨床心理学者。

カウンセリングの祖としても知られ、治療行為ではないという意味合いから、患者や相談者を「クライエント」と呼ぶようになりました。

基本的な概念(考え方)

個人のパーソナリティの成長を促す心理療法

ロジャーズは、1951年に著書「来談者中心療法」を発表し、クライエントの自己成長の力を信じ、その力と決断力を中心に進める「来談者(クライエント)中心」という理論を展開していきました。

「答えはクライエントのなかにある」と考える

「人間は本来、自己成長力をうちに秘めていて、自分の問題については自分が一番よくわかっている。問題解決とどう生きていくかを自分の中で育んでいる」という考え。

心理的不適応は、“理想の自己”と“現実の自己”の不一致によって生じる

心理的不適応(悩みや不安)は、理想とするなりたい自己と、現実の自己の差が大きいときや、受け入れがたい出来事や経験が起きたときに、それぞれ成長の過程で持つ自己概念(「私って○○な人」)に、防御が働き、経験を歪めてしまうという、一致しない状態がつくり出されたときに生じる。

カウンセラーが主導権を握ったり、外からレッテルを貼るような見方で理解するのではなく、クライエントの内面から理解すること・体験のなかにおける現実性を大切にすることによってしか、治療は成り立たないとした。

特徴

非指示的なカウンセリング療法

人間には本来自然な成長能力があるとし、クライエントのペースや主張を大切にしながら、非指示的にカウンセリングを進めていきます。

基本的態度の3条件

カウンセラーに求められる基本的態度3条件
① 無条件の肯定的関心(受容的態度)
② 共感的理解(共感)
③ カウンセラーの自己一致
① 無条件の肯定的関心(受容的態度)

カウンセラーは、クライエントに対し、無条件に・肯定的に関心を持ち、受け入れ、話を聴くこと。

② 共感的理解(共感)

カウンセラーがクライエントの立場に立って、理解していくこと。
“立場に立って”とは、クライエントの内的準拠枠と呼ばれる、その方が知覚・経験している世界の内側からの視点で、理解していくことが大切。また、ロジャーズは、「共感的であって同感的ではないこと。」とも唱えています。

③ カウンセラーの自己一致

’’カウンセラーの自己一致”とは、カウンセラーが個人的な見解や概念を一時的に外し、クライエントの自己概念に一致させること。

“クライエントの鏡”となって肯定的に受容することで、信頼関係ができ、安心して悩みを打ち明けることができます。
そしてクライエントはカウンセラーの共感的な反応から安心感を得ながらカルタシス効果を得られるます。

カウンセラーが何もアドバイスせず、クライエントが自分の力で問題を解決できるように支えることは、一見遠回りに感じますが、クライエント自身の問題解決力を支えることになります。

補足
【カルタシス効果】

カルタシストは、”精神の浄化作用”のことで、心の中にあるわだかまりを開放してスッキリするという効果

用いられる技法

“積極的傾聴”

これまで、来談者中心療法の基本的な概念・考え方やカウンセラーの態度についてみてきました。

では、カウンセラーがどのように、クライエントの悩みや不安を引き出し、解決に向け進めていくのか。

カウンセラーは“ただクライエントが話していることを聴くだけ”ではなく、積極的傾聴という技法を使い、問題の把握を行います。

「積極的に質問をする」ということでもありません。

先ほどご紹介したカウンセラーの基本的態度3条件にもとづいて、クライエントの話にしっかりっと寄り添い、耳を傾けながら、文脈に沿って話を展開していきます。

具体的なかかわり方や展開の方法は、心理学者のアイビィが提唱した、マイクロカウンセリングという技法を用います。

このマイクロカウンセリング技法については、傾聴を深掘りした別の記事での詳しくご紹介していますのでご参照ください。

まとめ

今回は、ロジャーズの来談者中心療法についてご紹介しました。

・「個人のパーソナリティの成長を促す療法」であるということ

・カウンセラーは、クライエントに対し、基本的態度3条件にもとづいて、受容・共感・自己一致することで、“気づき”を促し、クライエントの問題解決力の支えになる。

・積極的傾聴を用いて、しっかりと耳を傾け寄り添っていく。

最後にもう一つ。

来談者中心療法は、“ラポール”と呼ばれる、クライエントとカンセラーの「信頼関係」を大切にします。

ラポールを形成する上で、基本的態度の3条件や傾聴が重視され、たくさんの療法があるなか、来談者中心療法は、より多くの人に適応でき、とても効果的であるとされ、多くのカウンセラーに支持されています。

【オンラインdeカウンセリング】においても、「受容・共感・自己一致」をカウンセリングポリシーに定めています。




仕事やキャリアの悩み相談
オンラインdeカウンセリング

その悩み、一人で抱えていませんか?キャリアとメンタルのプロが一緒に考え、解決にむけたパートナーになります。